少年ジェット、七色仮面、白馬童子、快傑ハリマオ、そして、そして、…。
前回同様の滑り出しでアレだけど、本当に一所懸命に見ていたTVのヒーロー達だ。
私の一番のお気に入りは『少年ジェット』。
番組冒頭で、名犬シェーンが吠え、ジェットの後ろ姿が腰の辺りまで映ったと思ったら、振り向きざまに「スーパーコルト」の早撃ち、風船が割れる。
「シェーン、行こう!」といって駆け出すジェット。追いかける名犬シェーン…
ブラック・デビル、頓田紋太、鉄人騎士といった、悪役・脇役キャラ達も個性的、しっかり記憶に残っている。
少年漫画が原作といったこともあるんだろうけど、本作でも本作以外でも、主人公達は、少年なのに武器やメカを持っていて(活動をバックアップしてくれる科学者が身内や周辺にいるのだ)、さらに警察とも太いパイプで繋がっている。一方の敵方も国際スパイ団や世界征服を企む組織だったりで目的がすっきりはっきりしていた、そう、シンプルな時代だったのだ。
そして、そいつらと互角に戦う、なんとも強い、ヒーローなのである。
このパターンは、その先もずっとヒーローものの基本形として踏襲されていくことになる。
主人公ジェットを演じた俳優さんは2名。小生のお気に入りは、初代の中島裕史さん。
Wikipedia によると、中島さんの登場は、第65回(第5部)までとのこと。
当時私の家にはテレビがなく、ツテを頼ってテレビを見せてもらっていたことは、前回記した。よって、第6部以降の記憶がほとんど無いのも頷ける。きっと他の番組に乗り換えたのだろうね。
なにしろ貴重な時間だったから。逆に言うと、それほど初代がお気に入りだったと言うことかも知れません。
筆者が、この手の“テレビ視聴回顧録”的な雑文をまとめようと思い立ったのは、30年以上も前のことになる。当時、映像作品のソフト化は映画もTVプログラムも新作・近作が中心で、昭和30年台のTV作品のソフト化などとんでもない、夢のまた夢だった。
だから上のような、「ジェットの後ろ姿が腰の辺りまで映ったと思ったら」といったシーンを紹介する作文を連ねて、まさしく回顧に浸ろうと考えていたのだけれど、今日ではそれも難しい。完全に時代が私を抜き去ってしまった。
DVDコレクションのデジタルリマスター版が2018年に出ているし、ちょっとググれば、たちまちYouTubeで『少年ジェット』冒頭を何本も確認することができる。
再現作文を書く意味が皆無になった。
はたして良いのか悪いのか。
よくわからないけど、ちょっと味気ない気もする今日ではある。