今から半世紀以上前のある日、中学3年生だった小生に、担任のM教諭が尋ねた。
「メタンガスって知ってるか?」
「いや、知りません」
「溝とか沼とかで、プクプクっ、プクプクって出てくる泡あるやろ。あれのことや」
当時、口を開けばマンガのことばかり喋っていた私は、その教師から、すでに『マンガ』というニックネームをもらっていたのだが、
「お前、いっつもなんかブツブツいうてるやろ。せやから、メタンガスと呼ぶことにする」
二つ目につけられたあだ名は、「メタンガス」だった。
5文字より3文字の方が言いやすいので、あまり使われなかったが、折に触れて
「ほんまに、お前はメタンガスやな〜」
といったふうに、使われた記憶がある。
…で、何を、あるいは何について、ブツブツいっていたのかは、今となっては定かではない。
老境に入った今日でさえ、理不尽なこと、不合理と思えることが眼前に現れた時、誰にいうともなく「なんでやねん!」とか発してしまう時がある。きっと、それが子供の頃からのブツブツの正体。
いつとはなしに、生家は門徒だから、戒名は、なんやら院ブツブツ居士がええな~と長らく思って来たけれど、サイト名としては如何なものか?と考えていた2022年春某日の黎明、「ぶつくさ堂」という名前が降ってきた。
小声で何度もブツブツブツブツ、すなわち、ぶつくさ言い続ける雑文サイト…
だから「ぶつくさ堂」なのです。