ここ1~2年、《時代劇が来ている》てな記事を見たりする。
2024~25年にかけての、米国TVドラマシリーズ『SHOGUN 将軍』の大成功をきっかけに “すわ時代劇の復権”とラベリングしたい方面の声なんだろうけど、「安直に浮かれなさんな」と眺めている時代劇ファンはオイラだけじゃアないだろう。
真田広之氏をはじめとする『SHOGUN 将軍』関係者諸氏が精魂込めて作ったTVシリーズが絶賛されブームを呼んだからといって、過去の旧作時代劇すべてが礼賛されるものじゃアない。
――なんてアッタリ前のことだよね。
『SHOGUN 将軍』ブームをきっかけに、時代劇復権をムーブメントにしたければ、今こそ、失敗の歴史―なんで絶滅危惧種になっちゃったのかを、冷静に分析考察し、これから何を企画し如何に制作ノウハウを継承していくかをきちんと考えねば…とファンだからこそ真剣に思っちゃう次第。無論、真摯な関係者の皆さんはとっくに取り組んでおられるだろうけど…。
時代劇といっても、いささか広~く深こうござんす―よね。
公開形態も劇場公開、無料・有料チャンネルのTVシリーズ、さらに舞台・演劇とあり、内容も髷つきの歴史モノ、殺陣を堪能させる活劇=チャンバラ映画、チャンバラは控えめの人情世話物…この一大ジャンルを一緒くたに語るのは、雑駁すぎる。だから、簡単に復権・復活などとはいえないのだ。
日本のメジャー映画会社・東映が、劇場は任侠モノ、時代劇はお茶の間(テレビ)でという方針を展開したのは、1964年のことだった。他社もおおむね右に倣えで80年代以降劇場公開作品から時代劇はほぼ消え、時代劇=テレビ時代劇みたいな状況になっちゃった。
けれどもテレビ時代劇の黄金期は、大河ドラマの始まった60年代後半から80年代中頃まで。
90年代の後半には、衰退が始まり、2016年には、地上派の民放キー局から連続テレビ時代劇が、消えたのだった。
理由は簡単。おんなじようなモンを繰り返し作ってるだけだから飽きられちゃった―につきると思う。世の移り変わりのテンポから言って、50年は “よ~く持った” といえるのではないか。
地上波から消えはしたものの、時代劇の放送は2000年以降、BS・CS放送で増えてゆく。
旧作の再放送が多いものの、新作もいくつか制作され、オンエアされている。
―というのがテレビ時代劇の現状だ。その間、実直に時代劇を作り続けてきたNHKや時代劇専門チャンネルの皆さんに感謝です。

2000年代に入って以降、新作時代劇の制作は、テレビから映画へと再びシフトする。
松竹・山田洋次監督の『たそがれ清兵衛』に始まる藤沢周平原作の時代劇3部作が口火を切り、2010年には映画会社5社が共同企画“サムライ・シネマ キャンペーン”を行い、同時期に5作品を公開するという快挙を実現した。以後、『武士の家計簿』『のぼうの城』『清須会議』『殿、利息でござる!』など途切れずに制作されており、見どころである“殺陣”は控えめに、平成・令和の今を生きる人が共感できる作品作り、つまり&やはり、企画に知恵を絞ることがヒットの要諦である―ちゅうことやねぇ。
さて2026年、岡田准一さん奮闘の配信ドラマ『イクサガミ』の成功、ワシの推し俳優・田村正和の遺作となった『眠狂四郎 The Final』(2018年・フジテレビ)以来の8年ぶり、なんと!NHKでの『眠狂四郎』の復活など、時代劇ファンにはうれしいニュースが連続した。(※1)
地デジであれBSであれ配信であれ、テレビやん、時代劇やん。
まだまだフロンティアはあると思う。
たくさん作らなくて良い。
例えば『三屋清左衛門残日録』のように単発で良いから、腰の座った作品を、じっくりと、丁寧に、作って欲しい。
それが一時代劇ファンとしてのオイラの願いなのだ。
この稿を書いていて、時代劇好きが再点火。
不定期ながら当ブログにてあと数回、好きだったテレビ時代劇のことを書くことにする。
『三匹の侍』『眠狂四郎』『木枯し紋次郎』『必殺シリーズ(特に仕置人)』そして『天下御免』…ワクワクするのう。
※1:このNHK版『眠狂四郎』(主演:長谷川博己)、NHKと東映京都撮影所がタッグを組んで制作、令和の狂四郎を作ろうとの意気込みが感じられるできだった。連ドラではなく、単発のシリーズ物として継続してほしい。NHKさん、よろしくです。

