Web Contents 寸感 – ’24.6.

朝のルーチンは、e-mailチェックから始まる。
職業柄、PC系のハード・ソフトウェアのベンダーやフォトライブラリーからのものが多い。
近頃、そちら系のメルマガやお知らせメールが元気な気がしている。
しばらく眺めて理由を考えてみた結果、ひと頃のHTMLメールより作り込まれたキービジュアルときちんと整えられたコピーで構成されているからだと思い至った。
ほとんど“死に体”と悪口をいわれていたメルマガを復活させたのは、SNS。
その流行がメルマガに再生の機会を与えたのでは、と私は思っている。

たいていの企業は、基本にコーポレートサイトを持った上で、時流に遅れぬようFBやInsta等のアカウントを使って自ら発信している。
媒体ごとに個別のコンテンツを作るのは不合理&不経済。ゆえに、SNSの公式アカウントを入口に、自社のプロモーションサイトやオウンドメディアに誘導するという形が形成されたようなのだ。
その誘導口の一つとして、メルマガもあるよ!と復活を遂げたと推察する。もうメルマガではなく、e-direct mailとでも呼ぶべきだろうね。

だからメルマガからのリンク先もSNSと同じ。新サービスの案内や宣伝資料が置かれているプロモサイトやオウンドメディア。もちろんレスポンシブ・サイトだから、ユーザーはPCでもスマホでも意識することなく見ることができる。
イベントへのエントリーやボリュームのある資料をダウンロードするには、氏名やメールアドレスなどの入力が必須で、ユーザー自身が記入する。まっとうな情報入手法ではないか。
やっとダイレクト・マーケティングのノーマルな形が完成したように思う。

それにひきかえシンドイのは、広告掲載料で運営しなければならない、ポータルサイトやサービスサイトだろうね。
ネット広告、年々出稿総額は増えてるかもしれないが、素人目には、どんどん小粒になってきたな~という印象が増している。(大粒は上のように自ら発信しているから当然やけど)

私はWeb屋でもあるので、オールジャンルのノンジャンル、一応なんでも見ておこうのスタンスで、コンテンツの技術水準やデザイン傾向の“今日”を眺めているのだが、ここ数年、顕著に感じていることがある。
それは、上のポータル系サイトやデザイン素材のダウンロードサイトなどでことに如実で、年々広告枠の面積が広がっているように思えるのだ。なりを潜めていたポップアップ方式なんぞも復活しているしね。
スマホでそれ系サイトを見ていると、見出しは確認できるけど、本文がどこにあるのかわからないページもある始末。また、ページを開いた瞬間に無作法な広告が全面を覆い、そいつの消し方がわからない、目的の場所にたどり着けない、ということで、幾度そこから立ち去ったことか。

ネット広告業界、質も量も、もう飽和状態そして頭打ちなのだろうか。
『アフィリエイト』じゃ!『行動ターゲティング広告』じゃ! そして『アドネットワーク』じゃ!と進化してきたつもりかもしれんけど、小生には、自ら道を狭くしていっているようにしか見えないのだ。

~NARIWAI・生業の現場から その2~ 了