空気感って、なんじゃらほい

近頃気になる巷の日本語のシリーズタイトルイメージ

近ごろ「空気感」ということばをちょくちょく耳にするようになった。
このコトバ、わからなくもないが、私は好きになれない。

“空気”って何なのかといえば、まず浮かぶのは、日々お世話になっている透明の混合気体(=大気)のことであり、次にくるのが、日本人の大好きな、その場を支配する様子や気配のことを意味することばである。

いつごろからか、類語である「雰囲気」や「ムード」より、「空気」の方が頻繁に使われるようになり、「その場の雰囲気」といわずに、「その場の空気」という方が一般的になった。

一方の“感”って何なんよ。
「臨場感」や「親近感」といった場合に使う“感”は、「…のような感じ」を表す「感」の接尾語的用法で、「その場にいるような感じ」や「親しみを覚える感じ」の意となり、「…のような」という時に使う接尾語の「的」(※1)に近い用法と意味を持つ。

“空気感”とセットで使うと、“空気”=“雰囲気”、“感”=“のような感じ”となり、合体すると“雰囲気のような感じ”になって、二重にぼかしフィルターをかけたボケボケ写真のような、輪郭のすっきりしないことばになってしまっている……と思うのは小生だけなんかなぁ~

自分では明確に説明できないあやふやなことも、「空気感」といってれば、すべてが包み込こめる、便利な当世風の表現と許容しましょうかね。
僕的にはシンドイ感、満載ですけど  >^o^<

※1:主に物や人を表す名詞に付いて,それそのものではないが,それに似た性質をもっていることを表す。